琵琶沼は、「県民の森」で一番西にある、まわりを雑木林にかこまれた、広さ1.9haの沼です。県民の森の中にある林道から少し離れたところにあるので、もしかしたら見たことのない人も多いのではないでしょうか。
左の写真は、琵琶沼の西側にある片倉山から撮った琵琶沼の写真です.
琵琶沼はひらがなの「く」の字のような形をしています。片倉山から見た沼の北側の形が、琵琶沼の名前の由来ではないかと私たちは思っています。
はじめて琵琶沼を目にした人は、たぶん今までの「沼」のイメージとの違いにびっくりするかもしれません。
琵琶沼の北側の大部分はミズゴケの湿原でおおわれています。湿原というと、「尾瀬」を連想する方も多いと思いますが、琵琶沼も、尾瀬に負けないくらい私たちの心をなごませてくれるすばらしい風景を見せてくれます。まわりの雑木林もふくめ、様々な植物が季節季節に私たちを出迎えてくれます。
また琵琶沼には、「県民の森」には琵琶沼にしかない植物が数多くありますし、県内だけでなく、全国的にも珍しい植物や、本来もっと寒いところに生える植物も自生しています。
このために琵琶沼は、山形県の天然記念物に指定されていますが、この天然記念物の指定には、別のいきさつもありました。
私たちは、琵琶沼の植物の秘密を探るため、県の許可を得て、琵琶沼の植物の分布や水質・気象観察をおこないました。
そのほか、私たちは琵琶沼の生い立ちや「県民の森」の植物の移り変わりをしるためのボーリング調査を行いました。
ボーリング調査は湿原への影響を極力避けるため、少人数で、足元に板をしいて体重を分散させながら、重い機械は使わずに、人の力で一円玉の直径くらいのポールを湿原にさし込んで行いました。
琵琶沼のとなりに曲沼があります。
私たちは曲沼でも沼が凍りついた厳冬期に、氷の上からボーリング調査を行いました。調査に行った人たちが、みんな風邪を引いてしまいましたが、いいデータを得ることができました。
琵琶沼や曲沼のまわりの林は、今は人がきちんと管理している林ですが、人が手を加える前の風景はどんなものだったのでしょうか。
琵琶沼と曲沼でのボーリング調査から、人が手を加える前の林の風景や気候のことがわかりました。